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「たいへんだ! たいへんだ!」
ネズミフグのミグが騒いでいます。
「なにがあったの?」
「どうしたの?」
ミグのなかまのメグとマグがそばへ寄ってきました。
「たいへんなんだ! ペンギンのギンさんの子がゆうかいされた!」
「子? ギンさんに子供がいたかしら・・・」
メグが頭をかしげました。
「まだ タマゴじゃないか?」
マグも不思議そうな顔をしています。
「タマゴだってなんだって 子供にはちがいないだろう!」
ミグは怒った口調で言いました。
「そうね」 とメグが答えます。
「いずれタマゴから小さなペンギンになるね」 マグものんびりした口調でうなずいています。
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「それより ギンさんの子のことだ!」
ミグはいらいらしてきました。
「そうそう。ギンさんの子供ね」 とメグがいうと
「そうそう。子供がどうしたって?」 とマグが聞きます。
「さらわれたんだ!」 ミグが息を切らしながら教えました。
「さらわれた!」 「さらわれた? だれに?」
メグとマグは声を合わせて叫びました。
ミグはカッカとしてきました。
「それが分からないから 大変なんじゃないか」
「そうだね」
「うんうん。 そうだね」
「ギンさんはすっかり落ち込んでるんだよ。なんとかしなきゃ」
ミグはこうふんしています。
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「とりあえず みんなにきいてみよう」
ミグたちは まずオットセイのオットトに聞きました。
「ギンさんの子がゆうかいされたんですが 何か知りませんか?」
オットトは低い声でうなりました。
「私がゆうかいしたとでも言うのかね?」
「いえいえ。 そういうわけじゃないんですが」
オットトは大きな尻尾で水面をたたきました。
ミグたちはオットトのおこした波で流されそうになりました。
「知りませんかって 聞いただけなのに」 ミグは半分べそをかいています。
「きげんが悪かったんだよ」
メグとマグはミグをなぐさめました。
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ミグとメグとマグは気を取り直してラッコの所へ行くことにしました。
ラッコのララはちょうど食事中でした。
「何か用?」 ララも大事な食事をじゃまされてふきげんそうです。
「ギンさんの子がゆうかいされたらしいんですが」 ミグはおずおずと言いました。
「ギンさんの子?」 ララが聞き返します。
「ギンさんに子供なんていたかしら」
「まだタマゴなんですけど」
「私はペンギンのタマゴなんて食べませんよ。貝がすきなんですから」 そういうと ララは貝をおなかの上で割って食べ始めました。
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ミグたちはしかたなくフサギンボのサボに聞きました。
「ギンさんのタマゴ・・・」
全部言う前に サボは答えました。
「タマゴがなくなったんだってね。 聞いてるよ。 ぼくのこの家にはギンさんのタマゴは入らないよ。うそだと思うならみてみればいいよ」
だれに聞いても みんな疑われたと思ってふゆかいそうです。
「うたがってるわけじゃないのに・・・」 ミグは悲しくなりました。
「ゆうかい ゆうかいって言うけど タマゴがなくなっただけじゃないか」 サボはミグたちをにらみつけました。
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「あんたたち 探偵のまねでもしているの?」
声の主は海がめのウメでした。
「だって ギンさんがかわいそうだもの」 とミグは答えました。
「自分の大事なタマゴだもの ギンさんは自分でさがしますよ」
ウメは手足をパタパタさせました。
「あまりおせっかいを焼くもんじゃないのよ」
「ぼくたちはおせっかいなのかなぁ」 ミグたちは顔を見合わせました。
少し騒ぎすぎたかもしれないと ミグたちは反省しました。
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「さがしてあげるのは悪いことじゃないさ」
そう言ってくれたのは ウツボのボーです。
いつもは嫌われ者のボーですが たまにはいいことも言うのです。
「ありがとう ボー。 ギンさんだって ひとりでさがすの大変だものね」 ミグはほっとしました。
「ぼくも一緒にさがしてあげよう。みんなでさがせば見つかるかもしれない」
ボーはゆらゆらと泳いでいきました。
「ボーにもいいとこあるね」 メグとマグはうなずきあいました。
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「あっ タマゴ!」 ミグが叫び声をあげました。
「タマゴ?」 「タマゴだって?」
メグとマグが振り返ると セイウチのウッチーがタマゴのようなものを抱えています。
「タマゴじゃないわよ!」 ウッチーは驚いた顔をしています。
「これはわたしのボールよ」
よく見ればそのとおりでした。 ウッチーの持っていたのは黄色いまんまるのボールでした。
「ごめんね まちがえちゃった」 ミグはしょんぼりしました。
「気にしなくていいわよ。 それよりギンさんのタマゴがなくなったんですって?」
「そうなの。 ぼくたちさがしているんだけど みつからないの」
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その時「おーい」 と呼ぶ声がしました。
「おーい ミグ」
イルカのルカでした。
「ルカじゃないか。 どうしたの?」
「君たちをさがしていたんだよ」
「ぼくたちを?」
「タマゴがみつかったよ」 ルカが息を切らして言いました。
「みつかったの?」 「みつかったんだって?」 「どこで?」
ミグたちは一斉に声をあげました。
「ぼくについておいでよ。ギンさんも待ってるよ」
ルカの後にみんなぞろぞろとついていきました。
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ギンさんは大事そうにタマゴをかかえていました。
時々 タマゴをのぞいています。
ちゃんとタマゴがあるかどうか心配なのでしょう。
「よかったね。 タマゴがみつかって」 ミグがほっとしたように言いました。
「どこでみつかったの?」 ミグとメグとマグは声をそろえて聞きました。
ギンさんは恥ずかしそうに下を向いています。
代わりにルカが答えました。
「あのね ギンさんが食べ物をさがしにタマゴのそばをはなれて・・」
「はなれて?」 ミグたちはルカの次のことばを待っています。
「帰ってきたとき タマゴのある場所をまちがえたらしいんだ」
「場所をまちがえた!」
ミグたちはぽかんと口をあけました。
「そう つまりタマゴはずっとそこにあった というわけさ」
ミグとメグとマグは口をあけたまましばらく動けませんでした。
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