カピバラ

   カピバラのおうちに三つ子がうまれました
   お父さんもお母さんもおおよろこびです
   パロ ピロ ポロ と名前をつけました
   三匹とも とても元気に育っています
   ちょっと元気すぎるかもしれません

         
            

  三つ子は日に日にいたずらになっていきます
  今日はお父さんとお母さんの毛で遊んでいます
  とうとう毛をひっぱりはじめました
  「あっちで遊びなさい!」
  がまんできなくなったお父さんが叫びました

「さあさあ お父さんのお昼寝のじゃまをしないように
むこうで遊びましょうね」
お母さんは 三つ子のおしりをそっと押しました
パロとピロは しぶしぶとお父さんのそばをはなれました
パロはとても不満です
もっとお父さんの毛で遊んでいたいのです

      
      

ところが ポロは動こうとしません
どうしたのでしょう
ポロはお母さんのそばをはなれたくなかったのです
じっとお母さんをみつめています
お母さんはしかたなく子供たちの方へやってきました
ほんとうはお母さんも休みたかったのです

パロ ピロ ポロはお母さんの後について歩きます
お母さんが水を飲もうとすると
それを見ていたパロとピロとポロもまねをします
三匹にじゃまをされてお母さんはお水を飲むのも大変です
「すこしどいてちょうだいね」
お母さんが言ってもパロもピロもポロも聞こえません
 

      
         

小さなポロは なかなかお水に近づけません
パロとピロが行ってしまってから お母さんはポロにいいました
「さあもうだれもいませんよ 飲んでいらっしゃい」
ポロはお母さんを見上げました
とっても大きく見えました

 ひとやすみしたお父さんが草を食べにきました
 パロもピロもポロもお父さんのまねをします
 三匹はおそるおそる草のにおいをかぎました
 お父さんはおいしそうに草を食べています
 お母さんもやってきました
 やはり草を食べにきたのです
 きっとおいしいんだ 食べてみよう!
 三匹はそう思いました

      
      

三匹は並んで草を食べ始めました
もぐもぐ もぐもぐ
あれ? 思ったほどおいしくありません
ポロが聞きました
「これ おいしいの?」
パロが答えます
「おいしいんじゃないかなぁ」
ピロがいいました
「まずいよ 食べられない」

「お母さんのおっぱいのほうがおいしいや」
三匹ともお母さんのところへもどりました
パロとピロとポロは並んでなかよくおっぱいを飲みました
草よりずっとおいしく感じました
こんなときは とても静かでおとなしい三匹です

      
      

おっぱいをたくさん飲んだパロとピロとポロは 元気いっぱいです
おなかもふくらんでいます
今度はなんのいたずらをしようかと あたりをみまわしました
おもしろいことはないかな?

見つけた!
三匹は ゆかいな遊びをおもいつきました
「そ〜っと行くんだよ」 パロがいいました
「うん」 ピロが小さな声で答えます
「どうして?」 とポロが大きな声で聞きました
「しっ! 大きな声だすなよ」 パロは注意します
ポロはきょとんとしています

      
      

「わーい お山だ お山だー」
パロとピロとポロはいっせいにのぼり始めました
三匹がのぼったのは お母さんの背中でした
それをみたお父さんが大きな声でしかりました
「お母さんはつかれているんだ しずかにしなさい!」
お母さんはびっくりして目を開けました
お父さんの声におどろいたのです

お父さんにしかられても 三匹はお母さんの背中で遊んでいます
お母さんはそんなことにはかまわずにまた眠り始めました
三匹が背中に飛び乗るくらい お母さんにとってはたいしたことではなかったのです
お父さんはそれを見て 自分もまた目を閉じました
 

      
      

遊びつかれたパロとピロとポロはお父さんとお母さんの間にもぐりこみました
大きなお父さんに守られて 三匹は安心してお昼寝をしました






copyright©2002- 2004, Hiro Aono (story)
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