秋のシンフォニー

   風にゆれてる すすきの穂
   一足先に 秋を感じて
   そよっ そよっ と頭をふってる
   秋のにおいを 運んでいる
   顔に感じる 風の息も
   一足先に 冷たくなって
   秋が来るのを 教えてくれる
      
          
   見えるかな
   木にからまった つたの葉も
   うすいピンクにそまっているね
   やがて 土にかえる日が
   もうすぐ そこまで きているね
   春が来るまで ゆっくりと
   土の下で 待っててね
   ほんの少しの秋が
   木々のすきまから ひっそりと
   知らない間にやってくる
   夏に遊んだみどりの葉も
   赤い色をひそかに見せて
   ほんの少しの秋が
   しのび足で ひっそりと
   知らない間にやってくる
      
          
   赤と黄色とみどりとで
   森の信号みたいだね
   夏から秋へ
   バトンタッチの季節だね
   上手にバトン渡したら
   いよいよ 秋の登場だ
   冬へ向かって ダッシュだね
   あそこの木も
   秋の洋服に 着がえして
   こちらを そっとのぞいている
   新しい洋服 着た時は
   ぼくも ちょっぴりはずかしい
   きっと おんなじ気持ちだね
      
          
   夏が行ってしまった そのあとは
   赤いもみじ紅葉の出番だよ
   山のふもとから 頂上まで
   自分の出番を 楽しんでいる
   大きく大きく 両手を広げ
   空に向かって 顔をあげて
   そろそろ 秋は終わりだと
   体じゅうで 教えている
   そうだね 黄色の葉っぱの落ちる頃は
   冬がそこまで来ているよ    
      
          
   プラタナスの並木は
   金色にかがやいて
   道行くひとたちにも
   その光を 分けている
   ぼくが 通った時だって
   一枚の葉が 落ちてきて
   ようこそと 歓迎してくれた 
   森はすっかり 色を変えて
   冬への準備ができている
   そんなに いそがなくたって
   冬はやってくるのに
   もう少し ゆっくりしようよ
   もう少し 秋と遊ぼうよ
      
          
   落ち葉でかくれてしまった道を歩くと
   ぼくの足音が聞こえる
   お天気の日には かさかさと
   雨のあとは ぐしゅぐしゅと
   弟の足音は聞こえない
   きっとすべって しりもちついて
   枯れ葉とおしゃべりしているよ
   落ちてしまった枯れ葉はね
   そのまま 土の中で眠るんだ
   雪の下で 眠るんだ
   春になれば その上に
   小さなみどりの新芽が 顔を出して
   また 新しい世界がはじまるね
      





copyright© 2002-2003, Hiro Aono (poem)
copyright© 2002-2003, Ryouichi Kitamura (photo)