
君の瞳は星のように輝き
天使のまなざしを思わせる
僕はその瞳に魅せられて 毎日君のもとに通う
いつも控えめな君の瞳に気づく者は少ない
星の輝きと天使のまなざしを知る者は少ない
僕は限られた幸運を手にし 毎日君のもとに通う
君を侮辱する者を決して許しはしない
天使の瞳を持つ君を 僕は守りたい
菜の花が作った道を辿って行くと
春の世界へと誘われる
黄色い道は 春の道
柔らかで暖かい空気が頬を撫で
芳しい香りが鼻をくすぐる
幼い頃に戻って スキップをしながら歩く
どこまでも どこまでも続く春の道は
私を導く幸せの道
二人で腕を組んで歩けば
もっと幸せになれる道
夜桜見物に出かけた
昼に見る桜と どうしてこんなに違うのか
いつも不思議に思う
昼の桜は陽気で明るく
夜の桜は妖しい美を振りまいて
人を魅惑し 狂わせる
いにしえの昔から
桜の虜になった人は数多く
その魂が夜になると桜に宿るのかと
ふと そんなことを考えた
やっと春が来たのよ
体をせいいっぱい伸ばして
光を浴びましょう
花びらをできるだけ開いて
体を暖めましょう
せっかくの春ですもの
光を全身で受け止めましょう
ほらほら そんなに押さなくたって
光は充分当たります
春は命開く季節
光は命の源なのだから
見つめられて 君はほんのりと頬を染める
人里離れた山に咲く君は 恥ずかしがりやなんだね
見つめられて 君はかすかにうつむく
ひっそりと慎み深く咲く君は 人見知りするんだね
見つめられて 君はわずかに戸惑う
そんな君は 自分の魅力を知らないんだね
見つめられて 君はいっそう美しくなる
そして君は だんだん僕から遠くなってしまうんだね
ほのかなピンク色の花は
まるで大人になる前の貴女のようだ
子供から大人への過渡期の少女は
白い桜でもなく 濃いピンクの山桜でもない
ちょうど この桜のように
ほのかなピンク色をしていた
そんな貴女を愛おしく大事に思っていた私は
貴女が遠くへ行ってしまうまで
いつも ひそかに見守っていた
私の脳裏に残るのは
ほのかなピンク色をした少女の頃の貴女
カタクリの花を見たくて 山を歩き回った
この花に惹かれる人は多く 私もその一人だった
その年は 探せども 探せども花は見つからず
何処へ行ってしまったのかと不安になった
あきらめて 山を降りようとしたとき
足を棒にして歩き回った私を気の毒に思ったのか
目の前に カタクリの群落が出現した
太陽の光が花を照らし
紫のはなびらが美しく反り返っている
それは昔 あなたをさがしていた時のように
突然の でも素晴らしい出会いだった
桜の花も様々あるように
花の色も多々あるように
人の姿も種々雑多
花は全て美しく
全ての人が美しいとはいえない
誰かの言葉ではないけれど
桜も色々
花も色々
そして 人も色々
それぞれに人は生きていく
美しさも醜さも全てを背負って生きていく
絵のように美しい風景と人は言う
自然のように美しい絵とは聞かない
何故だろう?
クロッカスの白い花びらは
ユトリロの白い絵のように暗くなく
光り輝いている
クロッカスの黄色い花びらは
ゴッホの黄色のように複雑ではなく
光り輝いている
自然は自然のままに美しく
絵は絵として素晴らしい
其々の美を味わえる幸せを噛みしめたい
川面に映る黄緑色の新芽は
生まれたばかりの赤子のよう
柳は暖かい春の光に育まれ 大きくなる
赤子は暖かい親の愛に育まれ 大きくなる
とても簡単で自然なことだったのに
今はとても複雑になった
太陽の光は 恵みを施すだけでなく
災いをも与えるようになり
親の愛は いつくしむだけでなく
虐げることもある
これからの新芽と赤子は
どのように生きていけばよいのだろう?
問いかけても 赤い鳥居は静かに佇むだけ
間違えないでね
私は桜ではありません
間違えないでね
私はきれいな桃の花
桜なんかめじゃないわ
私は桃色 桃の花
お雛様をかざるのも
春を華やかに彩るのも
桜じゃないわ 私なの
間違えないでね
私はきれいな桃の花
さあ 前を向いて
大きな口をあけて
みんなで歌いましょう
ほらほら そこの人
横を向いてはいけません
もう一度やり直し
声をそろえてね
あらあら みんな下を向いてどうしたの?
え?
口を大きく開けすぎて 口が閉じなくなったって?
あら まあ どうしましょう
昔 菫は乙女の花
乙女の憧れの花だった
菫の花束を手にした乙女は絵になるはずだった
今 菫に憧れを感じる乙女はいるだろうか?
頼りなげに咲く菫は好まれないかもしれない
いや 乙女自体いるだろうか?
乙女も少女も いまの女の子には似合わない
元気で活発な彼女たちに似合う言葉は 何だろう?
彼女たちに似合う花は 何だろう?
君は誰?
葉牡丹なの?
きれいになったから 気がつかなかったよ
失礼だって?
ごめんごめん つい本音がでたんだ
前はずんぐりして スタイルもイマイチだったもの
気がつかなくても許してよ
綺麗になったって 誉めているんだからさ
おかあさん 何でうちはこんなに狭いの?
兄弟がこんなにいるんだもの
ぎゅうぎゅうで 身動きできないよ
我慢しなさいと言われてもさぁ
限度ってものがあるよ
隣の家も同じだって?
隣と比べるんじゃありませんっていつも言うのは
おかあさんじゃない?
おとなは いつだって都合のいいように言うんだよな
あーあ はやく大人になりたいなぁ
この間の日曜日に
氷室神社の桜を二人で見ましたね
その後 長谷寺を訪れて
枝垂桜の下で 花吹雪を浴びました
今年はすぐに桜が散ってしまって
花の命の短さを感じました
それが我が身のことだとは
その時は気がつきもしませんでした
桜が散ったその日に あなたは去って
私はひとり取り残され
今は葉桜となった木を眺めています
ほんとに短い花の命でした
聞こえますか 桜さん
今年は蕾が開くのが遅かったですね
いつもより早く咲きますと
もうすぐ咲きますと気を持たせて
なかなか咲きませんでしたね
待ちくたびれてしまいましたよ
でも 沢山蕾をつけて
とにもかくにも咲いてくれたのですから
勘弁してあげましょう
代わりにと言ってはなんですが
長く咲いてくださいね
あっという間に散ってはいやですよ
聞こえますか 桜さん