2005年 新春
本年もよろしくお願い申し上げます

日は昇る

photo by hiro



初日の出
それは 去り行く年が来る年に出番を譲るとき
それは 去り行く年と来る年の狭間
去り行く年に何があったとしても
来る年に何が起ころうとも
今 この瞬間だけは無心でいられる
昨日の日の出と今朝の日の出
今朝の日の出と明日の日の出
違いはないかもしれないけれど
人の心の中では 確かに違う
それは 人がいつも未来を見つめているからなのか
それは 人が区切りを求めているからなのか
そんな思いを胸に 今年も初日に祈る




乗客

photo by hiros



元旦に出発した電車は
大晦日に向かって走る
乗客は 今は"夢"だけ
そのうち"失望"も "期待"も "悲しみ"も "悔しさ"も
そして"喜び"も 乗ってくるだろう
大晦日の日に 終点についたとき
残っている乗客は誰だろう
その中に"喜び"がいたなら
2005年はよい年だったと言えるだろうね




首里城

photo by nomi



南国の建物は華やかだ
青い空によく似合う赤
棟を飾る竜の頭
それらを見つめていると
悠久の昔へと引き込まれる
500年の王宮の歴史の中に身を置いて
南国のロマンの香りをかぐ




お餅

photo by kei




今年もこのお餅が食べられる
美味しいと感じられる
このお餅を作れないときもあった
食べられないときもあった
喉を通らないときもあった
お正月に このお餅に出会えるだけで
今の幸せを感じる
今年も 来年も 
いつまでも このお餅が作れますように
他人にはただのお餅でも
私には平安の象徴




冬の日

photo by binko




太陽を背に受けると
長い影が私の前にできる
足長おじさんのような足
これは私かしら?
それとも私の後ろにいる足長おじさん?
もしも 足長おじさんがいたなら
今のような私でなく
もっともっと幸せな人生だったかな・・・
それとも これから足長おじさんは現れるのかしら
自分自身の長い影をながめながら
ある冬の昼下がり 他愛ない夢を見た




雪の魔法

photo by minami



雪は不思議な魔法使い
その白い姿で 全てのものの造形を変えてしまう
あの枯れた裏山は 白いレースを被り
この岩は巨大なめがねに変身した
枯れ木にはキラキラ光る花を咲かせ
壊れて朽ちた山小屋さえ
メルヘンの世界の小道具となる
その魔法が解けたとき現れる世界は
元の姿より 醜く見える
雪は不思議な魔法使い




都会の夜

photo by mako



都会の夜景には妖しさが潜んでいる
あのビルの陰にも
あのネオンの下にも
誘惑が待っている
妖しさに惹かれて進んだ道の向こうに
幸運があるか 不幸があるか
それは誰にも分からない
都会の夜景はただ人の世界を包んでいるだけ




踊る影

photo by binko

ガラス窓を通して入る光で
部屋は舞台に早変わり
ラインダンスのように整然と踊るシルエット
椅子に映るのは 羽毛の扇子
床に映るのは ダンサー達
揃いの衣装で 腕を組み
光にあわせて 足をあげる
一日踊って疲れた頃
夕闇の帳が降りてくる
ダンサー達も扇子をしまって眠りにつく
今日のステージは終わりをつげ
舞台は静かに暗くなる




会話

photo by minami



私たち こんなアップで撮ってもらったことあまりないわよね
ええ 数えられるくらいだわ
大輪の花は目立つけど 私たちくらい小さいと人間の目に入らないのね
そうらしいわね
虫さんたちは良く分かってくれてるけど 人間はだめね
私たちの事 雑草だなんて言ってるらしいわ
ほんと? ひどいわね
自分たちだってただの動物のくせにね
今度 雑動物って呼ぼうかしら




リゾート

photo by nomi



穏やかな海を眺めながら
浜辺のベンチにのんびりと座っていたい
聞こえるのは海の囁き
見えるのは青い海と空
全てを忘れて 心地よい風に身を任せる
そんな時間がたまには欲しい
それが私のリゾート




国際化

photo by binko



「あの子の目に 私たちはどう映ってるのかしら」
「不思議だなぁ って思ってるんじゃない?」
「着物とか お化粧とか?」
「たぶんね」
「日本の子供だって 芸者なんて知らないでしょうし」
「外国の子のほうが 知ってたりしてね」
「そうよね ふじやま げいしゃ しか知らない人も多いらしいから」
それまで黙っていた男の子が突然口を挟んだ
「ぼくのパパはもう10年日本にいるから 他のことも知ってるよ!」
芸者の一人が呟いた
「日本語わからないかと思っていたのに・・・」




庭にて

photo by minami



冬の間も 庭を明るくしてくれる花たち
その可憐な花の姿に似合わぬ 鋭い棘がある木瓜
小さい頃 知らずに枝を掴んだ
脳裏によみがえる痛さと指から流れた血
ほんわりとやさしい白い椿の花は
地上に落ちても しばらくはその美しさと気品を保っている
雪の降った日に子供の私でさえはっとする美しさを見せた椿
木瓜と椿は母の好きだった花
私にとっては 清楚な白と強烈な赤の思い出




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