初日の出
それは 去り行く年が来る年に出番を譲るとき
それは 去り行く年と来る年の狭間
去り行く年に何があったとしても
来る年に何が起ころうとも
今 この瞬間だけは無心でいられる
昨日の日の出と今朝の日の出
今朝の日の出と明日の日の出
違いはないかもしれないけれど
人の心の中では 確かに違う
それは 人がいつも未来を見つめているからなのか
それは 人が区切りを求めているからなのか
そんな思いを胸に 今年も初日に祈る
元旦に出発した電車は
大晦日に向かって走る
乗客は 今は"夢"だけ
そのうち"失望"も "期待"も "悲しみ"も "悔しさ"も
そして"喜び"も 乗ってくるだろう
大晦日の日に 終点についたとき
残っている乗客は誰だろう
その中に"喜び"がいたなら
2005年はよい年だったと言えるだろうね
南国の建物は華やかだ
青い空によく似合う赤
棟を飾る竜の頭
それらを見つめていると
悠久の昔へと引き込まれる
500年の王宮の歴史の中に身を置いて
南国のロマンの香りをかぐ
今年もこのお餅が食べられる
美味しいと感じられる
このお餅を作れないときもあった
食べられないときもあった
喉を通らないときもあった
お正月に このお餅に出会えるだけで
今の幸せを感じる
今年も 来年も
いつまでも このお餅が作れますように
他人にはただのお餅でも
私には平安の象徴
太陽を背に受けると
長い影が私の前にできる
足長おじさんのような足
これは私かしら?
それとも私の後ろにいる足長おじさん?
もしも 足長おじさんがいたなら
今のような私でなく
もっともっと幸せな人生だったかな・・・
それとも これから足長おじさんは現れるのかしら
自分自身の長い影をながめながら
ある冬の昼下がり 他愛ない夢を見た
雪は不思議な魔法使い
その白い姿で 全てのものの造形を変えてしまう
あの枯れた裏山は 白いレースを被り
この岩は巨大なめがねに変身した
枯れ木にはキラキラ光る花を咲かせ
壊れて朽ちた山小屋さえ
メルヘンの世界の小道具となる
その魔法が解けたとき現れる世界は
元の姿より 醜く見える
雪は不思議な魔法使い
都会の夜景には妖しさが潜んでいる
あのビルの陰にも
あのネオンの下にも
誘惑が待っている
妖しさに惹かれて進んだ道の向こうに
幸運があるか 不幸があるか
それは誰にも分からない
都会の夜景はただ人の世界を包んでいるだけ
ガラス窓を通して入る光で
部屋は舞台に早変わり
ラインダンスのように整然と踊るシルエット
椅子に映るのは 羽毛の扇子
床に映るのは ダンサー達
揃いの衣装で 腕を組み
光にあわせて 足をあげる
一日踊って疲れた頃
夕闇の帳が降りてくる
ダンサー達も扇子をしまって眠りにつく
今日のステージは終わりをつげ
舞台は静かに暗くなる
私たち こんなアップで撮ってもらったことあまりないわよね
ええ 数えられるくらいだわ
大輪の花は目立つけど 私たちくらい小さいと人間の目に入らないのね
そうらしいわね
虫さんたちは良く分かってくれてるけど 人間はだめね
私たちの事 雑草だなんて言ってるらしいわ
ほんと? ひどいわね
自分たちだってただの動物のくせにね
今度 雑動物って呼ぼうかしら
穏やかな海を眺めながら
浜辺のベンチにのんびりと座っていたい
聞こえるのは海の囁き
見えるのは青い海と空
全てを忘れて 心地よい風に身を任せる
そんな時間がたまには欲しい
それが私のリゾート
「あの子の目に 私たちはどう映ってるのかしら」
「不思議だなぁ って思ってるんじゃない?」
「着物とか お化粧とか?」
「たぶんね」
「日本の子供だって 芸者なんて知らないでしょうし」
「外国の子のほうが 知ってたりしてね」
「そうよね ふじやま げいしゃ しか知らない人も多いらしいから」
それまで黙っていた男の子が突然口を挟んだ
「ぼくのパパはもう10年日本にいるから 他のことも知ってるよ!」
芸者の一人が呟いた
「日本語わからないかと思っていたのに・・・」
冬の間も 庭を明るくしてくれる花たち
その可憐な花の姿に似合わぬ 鋭い棘がある木瓜
小さい頃 知らずに枝を掴んだ
脳裏によみがえる痛さと指から流れた血
ほんわりとやさしい白い椿の花は
地上に落ちても しばらくはその美しさと気品を保っている
雪の降った日に子供の私でさえはっとする美しさを見せた椿
木瓜と椿は母の好きだった花
私にとっては 清楚な白と強烈な赤の思い出