
こちらの木を見れば もう秋も終わり
数枚の葉が 枝にしがみついているだけ
カサカサと音が聞こえるようだ
あちらの木を見れば まだ秋の始まり
一枚だけ色づいた葉が もう秋よ と知らせている
人生の秋もそれぞれ
木枯らしの吹く秋もあれば
知らない間に通り過ぎていく秋もある
それぞれの秋
それぞれの人生
皆が去ってしまった後に
ひとりだけ取り残された
私だけになってしまった
冷たい風に揺れながら
孤独が私の胸を締め付ける
どうして どうして 私だけをおいていったの?
やがて一陣の風が吹き 私は宙に舞った
落ちた先は地面の上
そこに皆が待っていた
やっときたのね と迎えてくれた
私は安堵のため息をつき
暖かい温もりの中に身を横たえた
そんな目で見つめないでくれないかな
ドキドキしてしまう
こんなに心臓が高鳴っている
そんなつもりじゃないって?
でも その目で見つめられると
こっちが恥ずかしくなってしまう
そんな目で見てもいいのは ただひとり
心から好きな人だけ
誰にでも そんな目をして見つめたら
誤解されてしまうよ
秋が早足で去った北の国は
すでに冬将軍の先遣隊が陣を張り
白い世界を作り出す
将軍は まだまだお出ましではないけれど
まもなく進軍のラッパが鳴り響き
雪が北の国を覆いつくす
春になれば女神が現れて
将軍をもっと北へと追い返す
それまで息を潜めて待っていよう
忍耐強く待っていよう
ある秋の日に
夫と二人散歩に出ました
池の周りを腕を組んでゆっくりと歩きました
腕を組むなんて 何年振りでしょうか
水面に移る紅葉を楽しみながら 黙って歩きました
こんなにも穏やかな日々が訪れるなんて
思ってもみませんでした
いろいろな嵐を乗り越えてきた私たちを祝福するかのように
錦色の紅葉が迎えてくれました
黄色に色づいた銀杏並木は キャンパスを思い出させる
溌剌と歩く若い人達
笑いさざめく声が 秋でも寂しさを感じさせない
子供のように 葉っぱを拾う姿
落ちてくる葉には気も留めず 本を読みながら歩く姿
様々な姿が並木を通り過ぎていく
秋でも ここだけは春
キャンパスは 常に若い人達のもの
青春の並木道
私も歩いてきた並木道
南の国には 青い空が似合う
紺碧の空
緑の森
そして白い雲
私の望むものがここにある
なにもかもが揃っている
青い空に向かって 大声で叫びたい
自然よありがとう 私は幸せです
秋も終わりに近づき 花も少なくなってきた
蜜もたくさん収穫したし 冬の備えは万全だ
そろそろ仕事納めとするか
少し早い気もするが 今年も目一杯働いた
体もガタがきているし
ここらで休暇をもらおうか
おっとその前に
新鮮な蜜を腹いっぱい詰め込んでおこう
このくらいの役得じゃ たいしたバチは当たるまい
思い出すと 涙が滲んでくる
枯葉も 仲良く並んでいる鳥たちも
涙の向こうで ぼやけている
いつになったら忘れることができるのか
涙を流さずに 思い出せるのか
あの鳥たちのように
仲良く並んで語り合ったこと
枯葉を踏みしめて散歩したこと
思い出だけを残して
あなたはもういない
川面に写る私の姿
なかなか素敵じゃない
胸の辺りの黄色が いいアクセントだわ
首を少しかしげたほうが 写りがいいかしら
尻尾がもう少し白いと もっと見栄えがするんだけどな
あららら
こんなことをしている暇に 餌が逃げてしまったわ
いけない いけない
お昼のご飯を捕まえなくちゃね
ある秋の日に
急に思い立って 公園へ出かけた
お天気のよい 暖かい日
平日のためか 人影もない
都会の喧騒から離れ
なにもかも しばし忘れて散歩する
こんな時間も素敵だ
池の向こうの紅葉は まるで満開の花のよう
池に枝を垂らした紅葉は 朱と黄緑のツートンカラー
手を伸ばして触ってみたくなるような おしゃれな葉たち
なにげないひととき
なにげない一日
暖かいので 春かと思ってしまった
今は秋ですって?
あら まあ なんということでしょう
この私が勘違いするなんて!
でも 無理もないと思わない?
この日差しは春のもの
この暖かさは春のもの
間違えさせたのは
気まぐれな 秋の気候
勘違いは私も同じ
今年は 何かおかしいわ
みんなが勘違いしてるのよ
気まぐれな秋のせいばかりではなく
何かがおかしい
春の花も 秋の花も
一緒に咲いているなんて
普通じゃ考えられないわ
私は別に勘違いしたわけじゃないのよ
私は二期咲きの桜
春にも秋にも花を開くの
秋は紅葉に主役の座を奪われているけど
これでも上品な桜と 評判をとっているのよ
ソメイヨシノよりずっと美人だと自分では思っているけど
あなたはどう思う?
私たちは水辺が大好き
遠く遠く 北アメリカからやってきて
もう どの位経つのでしょう
水辺は故郷の気候にも似て凌ぎやすく
たまにはホームシックにもなるけれど
すっかりここにも慣れました
子孫をたくさん残し
ここを第二の故郷といたしましょう
涼やかな花を一面に咲かせましょう
空から見れば
一面に広がる 青い世界
美しく 透明な海
白い波が 海岸線を縁取る
地球は素晴らしいと思える幸せ
いつまでも このままであって欲しい
壊さないで欲しい
残されている楽園は少ないのだから
大切な財産なのだから
いつまでも いつまでも
大事にして欲しいと願わずにはいられない