

空には魔術師がいる
時には太陽であったり
雲であったり
空であったりする
今日の魔術師は だれだろう
真っ白な雲を あっという間に赤く染めた
魔術師は だれだろう
その魔術に 目を奪われ
しばし佇む
そんな魔術を見せたのは
いったい だれだろう
見下ろせば
コバルトブルーの海に浮かぶ 南海の島
あそこにも ここにも
青い環礁に囲まれて
いくつもの楽園が点在する
その中のひとつに降り立って
私も楽園の住人となる
コバルトブルーの海を守る住人となる
山頂で ひとり空に向かう石仏
漂う雲に 何を思う
遷り行く空に 何を思う
その瞳に何を見るのか
夜には月と語らい
嵐の日には風と論ずる
その心に去来するものは
人への愛と失望と
そしてかすかな希望なのか
何を思うか 石仏
人はそれを知る由もない
夜の帳が降りる前の
ひとときのショータイム
雲はライトを浴びて 白から茜色へ
空はゆっくりとライトダウン
太陽がプロデューサー
効果をしっかり見定めて
夜の帳を静かに降ろす
明日はどんなショーにしようかと
幕の向こうで考えながら
夜の帳を静かに降ろす
白くてふかふかの 雲
じゅうたんみたいな 雲
足をおろせば 体が沈む
新雪を歩く そんな感じかな
もっともっと やわらかいかな
雲のじゅうたんに ダイブすれば
トランポリンみたいに
体が ポーンとはねあがるかな
それとも 体をやさしく包んで
夢の世界へと 誘うかな
あっちでも ポン
こっちでも ポン
ポン ポン ポン
ポップコーンのはじける音が聞こえるよ
はじけたコーンが山のように
あそこに たくさんたまっている
大きな袋にいっぱい詰めて
みんなに配達してくれないかな
ポン ポン ポン
ほらまた ポップコーンの山ができた
太陽が見せてくれる
雲のシルエット
朝と夕の ほんのいっときだけ
太陽のご機嫌の良いときだけ
見せてくれる 雲のシルエット
海を眺めながら
浜辺に座りながら
頭を空にする
この太陽のごほうびを
受け取れる幸せに感謝して
つかのまの恩恵を享受する
空に浮かぶ雲には いろいろな顔がある
穏やかな顔
にこやかな顔
恐ろしい顔
悲しげな顔
取り澄ました顔
あなたは どの顔が一番好きだろうか
海の上に 悠々と浮かぶ雲も
空高く 軽やかに動く雲も
太陽の残照を浴びて ほんのり赤らんだ雲も
嵐の前に 跳ぶように走る雲も
私は好き
眺めているだけで 心が躍るから
私は 雲が好き