白い手が 私を招く
さあ こっちへいらっしゃい
白い指が 私を誘う
そこにある金の冠は あなたのもの
白い顔が 私に囁く
ここには あなたの望む全てがある
誘われて 惑わされて
踏み入った先は 魅惑の世界
二度と出られない ユートピア
一斉に飛び立ちました カルガモ君
さあ だれが速いでしょうか
3コース 速い!
2コース 遅れてます
5コースも スピードが落ちました
3コース 他を引き離しています
速い! 速い!
大差をつけて 3コースのカルガモ君 一着です
ここにはたくさん実があるぞ
赤いイチイの実だ
どれをたべようかな
あれにしようか
これにしようか
う〜ん まよっちゃうな
そうだあっちの枝を見てみよう
あれ あんまり熟してないぞ
さっきの枝に戻ってみよう
こっちは どれもおいしそうだ
あんまり多すぎて
どれを食べたらいいのか わかんないよ〜
潅木の下から顔を覗かせている花
濃い緑の中で ピンクの色がまぶしい
小さなひとつの花に触れると
まるで さわらないで とでも言うように
他の花がそよぐ
ごめんね と心の中で謝りながら
あわてて手を引いた
「そっちの蜜はどう?」
「いまいちだよ そっちは?」
「こっちは上等よ 同じ花なのになぜかしら」
「このアーモンドみたいなのが邪魔だよ」
「あら、それもおいしいのよ」
「さっさと運ばないと冬になるわ」
「そうだね・・・ムシャムシャ」
「ここで食べちゃだめよ!」
「だって おなかすいているんだもの」
「大事な冬の食糧なのよ こっちへ渡しなさい」
「はーーい」
お母さん あれ見て!
おいしそう!
白いお花はお砂糖で出来てるんだね
お口の中で 溶けてしまいそう
赤いお花は 甘い飴
お口の中で転がすと 舌がいたいかな
食べるのもったいないね
とっておこうかな
でも ありさんにとられるといけないから
やっぱり 食べちゃお!
雲の流れが速い
海の色は 灰色になり
遠くの山々も 身を縮めているようだ
風も まるで逃げるかのように吹いている
鳥や魚はいつの間にか姿を消した
不安が胸に押し寄せる
なにか起こりそうな予感がする
ぼくらはいたずら五つ子だ
緑の目をした五つ子だ
そろいのとんがり帽子を頭にのせて
昼間は仲良く手をつなぎ
夜になったら手を離し
みんなで草間を飛び歩く
お日様昇るその前に
いそいでみんなで手をつなぐ
ぼくらはいたずら五つ子さ
手を触れれば 壊れてしまいそうな
薄い 薄いガラス
光が当たれば キラキラと輝く
控えめな宝石みたいな 青いガラス
そっと手にのせ 露草の形に切り取ると
素敵なブローチになる
君の胸にきっとよく似合うよ
メジロさん そんなところに隠れて何しているの?
え? アケビを食べてるところ?
くちばしが埋まってるじゃない
それでよく食べられるわね
余計なお世話だって?
そうだけど お目めまで突っ込んでるみたいよ
邪魔しないでくれ?
ごめん 食事中だったわね
植物を愛でながら ゆっくり歩く
珍しい花がたくさんある
花びらが二枚だけ長い 大文字草
不思議な造形
何故 二枚だけ長いのだろう
この花の祖先が生まれた頃
きっと 何か意味があったに違いない
植物の不思議に思いを馳せ
次の花へと目を移した
喋々さん 何してるの?
お花の蜜を吸ってるの?
そんなので お腹一杯になるのかなぁ
いつもぼくは 田んぼや沼で小さな虫を食べてるけど
今日は ここまでお散歩に来たんだよ
ねぇ お話しようよ
ぼくと遊んでよ
うるさいなんて 言わないで
ぼくとお話しようよ
丘に登って あの人の飛び立った飛行場を眺める
まだ一週間にしかならないのに
何故か寂しさが胸を過ぎる
一年も待てるだろうか
きっと待てない
一月もしないうちに
私もあの飛行場から飛び立つだろう
その日まで
丘に登って あの人の飛び立った飛行場を眺める