ティム君とララちゃんは高い木に登り始めました
ララちゃんだって スルスルと登れます
もう後ろからおさえて貰わなくたって大丈夫です
二人は上のほうまで登っていきました
「さっきより ずっとずっと高いわ」
ララちゃんは興奮気味です
「ララちゃん ここでちょっと待ってて」
ティム君はひとりでもっと高い枝へと移っていきました

         
            


ララちゃんは さっきティム君がしていたように二股の枝に腰をおろしました
ティム君は何をするつもりなのでしょう
ララちゃんはティム君の姿を目で追いました
スルスル スルスル とティム君は高く高く登っていきます
「大丈夫かしら……」
ララちゃんは心配になりました


「おーい ララちゃん 見ててよー」
ティム君の声が聞こえます
ララちゃんは目を見張りました
どうやらティム君は木から木へと飛び移るつもりのようです
「ティム君 無理しないでね」 
ドキドキしながら ララちゃんは返事をします
「大丈夫! ちゃんと見てるんだよ」

      
         


ララちゃんの前で失敗はできません
エイ ヤッとティム君は隣の木まで飛びました
成功です!
さっきより上手に飛べました
パチパチパチパチ
ララちゃんは大きな拍手をしました
「すごいね ティム君!」
「こんなの簡単さ」 ティム君は少し誇らしげに答えました

                            


ティム君の跳躍を見ていたのはララちゃんだけではありませんでした
「おにいちゃん かっこいいー」
お母さんと弟のチャム君も見ていたのです
「ぼくも早く飛べるようになりたいなー」 チャム君は尊敬の目でお兄さんを見つめました
「チャムもぼく位大きくなったら飛べるさ」
お母さんもティム君の成長ぶりに驚いたようです
「ティムもすっかりおにいちゃんになったのね」

      
         


お母さんはチャム君をずっと抱えていたので疲れたのでしょう
木の枝に座って休息の時間のようです
右足をあげてポリポリと顔を掻きはじめました
チャム君を背負って移動している間は 痒いのを我慢していたのです
チャム君はお母さんの足に挟まれて顔がゆがんでしまいました
「おにいちゃん 助けて……ウググググ」


                            


「あはははは」 ティム君は大きな声で笑いました
「一人で歩けるようになったら そういうこともなくなるさ」
ティム君は弟のチャム君をとても可愛いと思いました
そしてお母さんも大変なんだなと さっき大嫌いだと思ったことを後悔しました
ティム君はチャム君にウィンクをすると ララちゃんと一緒に別の木へと遊びに行きました

          おわり

      





copyright©2002- 2006, Hiro Aono (story)
copyright©2002- 2006, toyosa (photo)